ESTP型:究極の現実主義者


ESTP型の典型的なモットーは「まずやってみよ、手引書を読むのは最後でよい」である。
この行動派は「いまの瞬間」のために生きている。 手引書を読むのは「いまの瞬間」を遅らさせるだけなので、時間の無駄というわけだ。
ESTP型は、現実と無関係な理屈には我慢のならない究極の現実主義者である。 もっぱら人と物に関心を注ぎ(型)、五感で実感できるものを頼りに情報を集め(型)、その情報を客観的に分析して検討し(型)、それと同時に、新しい選択肢を進んで柔軟に受け入れることができる(型)。 この四つの性向があいまって、どんな状況にもすばやく、的確に、客観的に、行動に表して対応できる。
何もしないでいるよりは、何かしているほうがよい。その行動の結果が出るのは翌日回しでよいとする。
今すぐやって、つけは後で払うタイプだ。 ほかのタイプの人からは「落ち着きがない」とか「異常に活動的」といった不評をかってしまう。
たしかにESTP型は並外れて落ち着きがないと見られがちだ。
ESTP型は、エネルギーを注いだら、その見返りを求める。 やるだけの価値がないと思ったら、次のことをはじめる。 面白くない本はまず最後まで読み通さない。 つまらない本でも、読み始めた以上、終わりまで読むとか、「ためになる」から読むのは、時間の無駄だと思う。
部屋を片付けるのも、なくした物を捜すといった目的があれば、やる意味があるが、ただ義務で片付けるのは時間の無駄だと考える。 座持ちがよく社交的なので、よく座の中心にいる。当意即妙の受け答えにたけていて、冗談がうまいので、一緒にいると楽しい。
厄介な仕事に取り組んでやり遂げる力、どんなことでも少なくとも一度はやってみようとする。 怖いもの知らずのところ、そして旺盛な競争心があるので、問題の解決役になり、面白い課題に取り組む時には頼りになる。 だが、仕事をルールにのっとってやらず、決まりきった仕事になると興味を失い、飽きてしまって環境を変えたくなる。
このタイプに付きまとうジレンマは、決まった手順やノルマをよく忘れてしまうことだ。 そのためにしょっちゅう目上の人ともめる。ことさら権威に逆らい、その正当性を試して喜ぶタイプもいるが、ESTP型はそうではなく、ただ権威を気に留めないだけなのだ。
仕事や問題を前にすると、決まった手順があるかどうかをまずチェックせずに、やり遂げる方法がないかと考え、とにかくやり始めてしまう。 その結果、本人は良いことをしているつもりなのだが、ほかの人たちからはそうは受け止められず、結局は「トラブル・メーカー」といわれてしまう。
悪気のないESTP型はヒーローになれず、失敗に終わる。 ただ幸いなことに、失敗してもESTP型はあまり自分を責めたりせず、別のことに目を向ける。
ESTP型の女性は運動、それも一対一で競うスポーツに熱中するタイプだ。 その性向に逆らわずに振舞うと、おてんばと見られてしまう。いかにもだめでもともとと、突進するところが、社会の女性観から外れているので変わり者に思われる。
ESTP型の生活スタイルは落ち着きがない。 いつもやりかけのことがあり、その上にまだやることがあって、時間が足りない。 しかも、そういう状況を楽しんでいる。
運動会、夏休みの終わり、就職、良い成績を取ったなど、どんな出来事でもパーティーの口実になる。 そうした行事の準備にいそしみ、率先して参加するが、ときにただせわしいだけで終わってしまう。
自分が中心でないと気がすまないし、理屈やくどい説明をもどかしがるので、ほかのタイプの人はいらだたしく思える。

親子関係


ESTP型の親は子どもに非常に現実的な期待をかけることが多い。
優等生になったり大学に進学することを求めるのではなく、生活に根ぎした建設的で実際的なことをやってほしいと願う。 もっとはっきりいうと、楽しく暮らせることを見つけてほしいと思っているのである。
ESTP型の子どもはひどく誤解される。 いわゆる「異常に活発な」子とか「覚えが悪い」子といわれる。 こうした興奮しやすい子どもは、問題児は「おとなしくさせる」べきだと考えるタイプの親と対立することが多い。
実際には、とても独創的で創造性豊かなのだが、もっとふつうの行動をとるよう強制される。
抑えつけるのではなく、上手に導くと、なんでもうまくやれるのだ。

適 職


ESTP型の適職:
    マーケティング関係の仕事
    警察官や探偵
    管理職や行政職
    会計監査人
    小売店の店員