GLAY SPECIAL
BEAUTIFUL DREAMER
Ta>今在るべき姿をそのまま表現する。
Hi>この3曲は不可欠ですね。2003年を象徴する作品。
Te>すごい時間を感じるシングル。時系列を感じるような。
Ji>オープニングのスピード感のあるストリングスかな。
美しいストリングスではなくて、スピード感のあるストリングスがいい。
HISASHIが「こんな感じでどう?」ってギターを弾き始めて。
Te>HISASHIのあのイントロが出た瞬間に、ライブが見えましたね。
Ta>「ちょっとマンガばかり読んでないで手伝ってよ」って言ったら、「いいよ」ってサラサラサラっと。
(天才には敵わん!)っていう(笑)。
Te>HISASHIには何か、大賞をあげたい…与えたいですね(笑)。
Hi>TAKUROの頭で鳴っている音と、俺の頭の中で鳴っていた音が全く一緒の時があって。
さすがにこの15年来っていうね。みんなが持っていたものを、そのまま音にしただけです。
Ji>とにかくスタジオで盛り上がって盛り上がって。「生ドラムじゃないのに何でこんなにビート感があるんだろう」って。
それを俺はすごく思った。GLAYってこういうビートが得意なんじゃないかと。
Hi>8ビートをしっかりと。
Ta>色んな事を背負った今、「8ビートって自分たちにとって何だったんだろう」って検証に近い。実験とは違いますね。
まっすぐなビートに対して、どう目に見えないものを置いていけるか、いよいよそういう段階に入っていったのかなと。
Te>夢を持ってる人たちに、何を教えてあげられるか。
Ta>俺の人生哲学じゃないけど、(美しい人生とは)が元になって。
その人その人によって色んな人生があるけど、俺はそこをまず問うだろうなって。
自分の周りでも、今まで実に美しい人生をまっとうしたなと思う人たちがいたりして。
そういう人たちのように、美しい人生でありたい。今、何をすべきか…美しい人生を求める旅の途中みたいな。
Te>「BEAUTIFUL DREAMER」は、まぁ…「誘惑」とか、ね、そういう感じで起爆剤としてライブでちょくちょくやりたい。
Ta>これからどんどんあの曲に楽しいエピソードをつけてあげる事が、生み出した俺たちの役割になるでしょうね。
言うなれば、親の責任みたいな。
Hi>北京では、デビューライブみたいな感じだった。
巨大化したGLAYっていうものの、見えないものを取った感じがあります。
CHILDREN IN THE WAR
Ta>なるべくやらない方がいいですよね。「歌う必要がないじゃないか」っていう。
そうあって欲しいけど、そうもいかないだろうな。
Hi>イラク戦争の背景をバックにずっと俺たちは演奏してたんだけど、あの時の暗い感はぬぐえないですね。
前半は自分の中では暗かったです。今日の雨のように(笑)、どっか晴れない感じ。
ライブは盛り上がるんだけど、楽屋に入った目にするテレビや新聞は…重かったですね。
Te>政治色とかすごく強いけど、戦争に関してっていうよりも、その時々に自分たちが思っている事をストレートに
音楽で表現したいっていう。自分たちの気持ちがちゃんとパッケージングされてる曲ではあるなと。
HIGHCOMMUNICATION
TOURと今回の戦争は、自分たちの中ですごく密接だったように思う。
Ji>今までと今後の活動として、やった事の意味ってのは大きいんじゃないかな。
Ta>改めてレコーディングするのは、全く考えていなくて。
Hi>ライブ感を排除して出すのは、俺の中ではなかったかな…。
Te>あの時にしか歌えないでしょうね。ステージ上でしか歌えない。
レコーディングし直すとなると、すごい…「そういう歌」になってしまうのかなと。
感情を入れながらも歌ってるんだけど、あざといところが出てしまったりとか、そういう危険性がある。
Ji>今でも考えさせられるし、今でも解決されてないじゃん!って感じがありますよね。
1番いいのは、あの曲を演奏しない事、それが1番の俺らの願いなんじゃないかな。
Hi>うん、…願いますけどね。
Te>「ONE
LOVE」とか、愛情の大切さをテーマにしたものを出してきたからこそ、
今やらなきゃいけないんじゃないかなって。気持ちを伝えられるんじゃないかなと。
Singer Song&GLAY〜歌が響かせたもの〜
Ta>感じてるのは、いわゆる歌い手としてのTERUのボーカリゼーションによって、
歌の世界に、作った自分さえ連れてってもらえる。
その物語に連れていってもらえるという説得力…なのかなぁ。
Ji>やっぱりTERUの歌の伝わり方とか、ツヤとか、あとTAKURO君のメロディーの…、あ、
TAKURO君のメロディーとTERUの歌のツヤ感が合ってるんじゃないかな。
Ta>物語の彼の力量はすごいなあっていう…感じますね。
Te>デビューの時のテープをラジオとかで聴く機会はあるんですけど、
よくこれでデビューできたなと思う歌もありましたねっ(笑)。
自分でその時精一杯の挑戦はしてるんだろうけども、今の自分が聴くとまだまだだってところもたくさんある。
そう感じる事ができるからより成長していけるんじゃないかなと思える過保護な自分もいたり(笑)。
Hi>ツアーの中で、改めてTERUをフューチャリングしてのライブをやって、「さすが10年歌ってきた男だなぁ」と思ったなー。
Te>「丁寧に歌うのをよそう」を思った時があり、丁寧に歌える人をうらやましく思ったりするんですけど、
自分はそれとは違うボーカリストで、違ったものを出せるボーカリストでいたいなぁという事を、
たぶん「HEAVY
GAUGE」ぐらいから思い始めて。今はもう、自分にしか歌えない歌ってものを目指して、
日々精進しております(笑)。
Ji>やっぱり北京で、あれだけの言葉の通じない客の前で、あんなに堂々と「GLAYっていうものはこうなんです!」
っていう風に伝えられるのは、TERUでしかないし。そこに俺は感動したし、メンバーも感動したし。
Hi>演奏してる時に…左前にいる彼を見て、すごく安心した記憶がありますけどね。
STREET LIFE〜10周年に向けて〜
Te>「STREET
LIFE」に関しては、デビューしてからの9年間、そして10周年を迎えるって事で、
その10年間を1曲にまとめた曲でもあるし。
Ta>こう…別格なものはあったかな、歌が完成した時に。
Te>TAKUROの一言があったんですけど。「感情1.5倍で」っていう言葉がなかったら、もう少し抑えてたかもしれない。
うん、なんかこう、熱い歌を聴きたがってたんで、TAKUROが。
Ta>「泣いた、笑った、確かに愛した」っていう言葉自体も、俺が思うところのその言葉ではない。
TERUが見た俺の知らない風景を、歌声によって教えてくれるっていうのは、すごくあるから。
Te>自分でも納得いかず、1回完成されたものをバラして次の日また歌ったり。
いかに自分が感動できるかっていうのを考えながらレコーディングした曲でもあるし。
Ta>レコーディングする時思うんだけど、俺は幸せだって思うのは、もちろんHISASHIやJIROもそうなんだけど、
それぞれのみんなの人生をプレイや歌声で感じる事ができるから。
人の4倍、自分の人生、彼らの人生を垣間見る事ができるから、すごい得だと思う。
Ji>「STREET
LIFE」に関しては、もう本当にライブのリハ後にTAKURO君が曲のデモを録り始めたりして。
そこでも「STREET
LIFE」がずっと歌われてたんで、すごい想いのある曲なんだなと感じました。
Te>TAKUROは、やっぱり欲求ってものがあって。世間に対してなのか、自分に対してなのかは分からないですけど、
「ひとつにまとめあげたい」っていう、詞の世界でまとめあげたいっていう。
Ta>「STREET
LIFE」に関しては、顕著に今まで関わってきた人たちや自分が今住んでる場所、
東京って事になるんだけど、「移り変わりの激しい東京の中で、どうやってまっすぐに生きてゆけるだろうか」
っていう気持ちがあるから、それは10年…言い過ぎだろうけど、もっと言うなら東京に住むようになってからの
生き様みたいなのを表現したかったし。
Te>すごいいい曲だなと。あとはこれだけ何回も何回もリハやってて、すごい大切な曲なんだなと。
そんな感じで思ってたんだけど、詞を改めて見た時に、(あ、来年の10周年に向けての曲だ)って。
(だからこそすげぇ大切にしてたんだな)と。
Ta>「STREET
LIFE」って言葉を思う時に、たとえば大好きな街だけど、
ニューヨークだったりロンドンだったりするし。自分の肌に合う場所を思う浮かべるから。
それはやっぱり、自分たちにとっての「この道で生きていく」って事は、間違いなく今までもそうだったし、
これからもそうなんだろうと。それはすごく思いますね。
Ji>色んな人からの評価では、「pure soul」に通じるものがあると聞くんだけど、まさに俺もそうで。
なんか、「pure
soul」は98年の作品なんですけど、2003年の「pure
soul」みたいな事を
もう一度歌いたいのかなと。曲調とか、聴こえてくる言葉とか。
Ta>最初は「この街で生きるんだ」ではなく、もっとイメージを絞るために「この道で生きるんだ」
っていうような案も俺の中にはあったんですけどね。
「この道で生きる」となると、何か職人っぽいかなと思って、「包丁1本で生きていく」みたいな(笑)。
…何かそこまで限定する必要も…今の彼の歌声をもってすればないだろうと、うん。
もっと大きく捉えて、聴き手側が生きている街自体をさして感じてくれれば。
Te>「STREET
LIFE」を聴いた人たちが何かを感じてくれれば、うん。
「10年後にも20年を迎えるパーティーか何かがあったら来てくれるかな」とか。
そういう気持ちを込めた曲ですね。
Hi>まだ完成じゃないだろうなと。一連のライブの中で成長していく曲たち…、
「pure
soul」みたいに、どんどんステージの上でみんなのエネルギーをもらっていくんだろうな。
Ta>10年経っても「STREET
LIFE」は歌っていくんだろうっていうのは、そこにいた全員が納得できるような。
そんな風にTERUも言ってたけど。
Te>何か、すごい、絵が見えるんだけども。50歳になってる自分が
「これはデビュー10周年の時に歌ってたナンバーなんだ」って伝えて歌う、
そういうイメージがすごく浮かんでるって事は、あと20年はがんばれるのかなぁ〜って。
この曲があればって感じなのかな、うん。
Ta>明日死んでも悔いはないくらい1日をきっちり生きてたいなぁって思うから、
「10年先なんてなぁ〜」って思う事もあるけれど、この曲に出逢ってからは
「まぁ、それも悪くないな」って思えるようになりましたね、うん。「見たいなぁ」って。
それこそ50でも60でも、時々の道の上に立って歌っていくっつうのも悪くないなぁって。
Now GLAY
Ji>「GLAYが何をしなきゃいけないか」っていうのは考えてるのかもしれない、俺自身も。
何か1周したような気もするんですね、1周した中でも得るものっていうのは大きかったですけど。
GLAYの活動の中での自分の役割っていうのはちゃんと把握しながら、もう1回成果を出していきたい。
もう1度真剣に、「任せるところは任せちゃおう」とか、役割を今…前までは自然にできていたけど、
もう1回そこを自分の中で把握したい。そこが1番大きく変わったんじゃないかな。
迷ってる…でも一概に迷ってる事が悪い事とも思えない。迷ってるのは進化の途中なのかも。
TERUの歌、TAKURO君の曲っていう…頭の中で鳴っている音を忠実に再現してあげたいなぁ
っていう気持ちが強いので、そういった意味では新たな結束力がバンドの向いてる方向に
全速力で走っている気がするんで、そこを聴いて欲しいなと思います。
10周年に向けては…新連載やラジオとか始まりましたからね(笑)。
Te>GLAYが今いる位置ってどういう位置なのかは分かんないですけど、
もうそろそろ落ち着いてもいいんじゃないかとも思えると思うんですけど、ああいう速いナンバーだったり
ビートを刻んだ、「若い」と言われる(笑)ナンバーをやれるようになったのは、
またひとつ成長したからこそなんじゃないかな。自分たちのやりたい事をやっていくGLAYっていうものが、
だんだん確立されていってるような。よく言われるけど、点と点を繋いでいったら線になった、
そういうのじゃないかなと。ひとつだけじゃ切り取れない物語っていうのを、最近GLAYに感じますね。
20年後、かっこいいバンドでいて欲しいですねー。
20年後もステージに立っていたいっていうのが、自分では目標になっているんで。
40過ぎてもステージの上でかっこよくロックを気取れるようなボーカリストでいたいなと思いますけどね。
Hi>10年経ってもバンドのスタイルとかなくてよかったなと。
色んな曲ができるし、もっと大きなところで10周年を歌い上げるのもあるかもしれないけど、
たぶん俺らは別のところで発表していく、みんなの思い描いているものとは違うかな。
過去の例ではあるんだけど、「誘惑」と「SOUL
LOVE」を同時に出して、2位になってしまったという(笑)。
自分らで自分らを汚すような、そういうのをおもしろがってやっていくんじゃないかな。
やりたい事はたくさんありますね!細かい、使いたい楽器からフレーズから色々とあります。
見えてきた部分が自分の中にあるんで。ちょうど氷山の一角が見えてきたような、うん。
色々と冒険してきたし、色々と失敗もして、失敗でみがいたものが今出来上がってきたかな。
それが「BEAUTIFUL
DREAMER」と「STREET
LIFE」の答えだと思ってもらっていいんですけどね。
こっからまた、色んな冒険とか、いらないものを拾ってくるんで。
Ta>来年はツアーとかもやりたい。けど、まずは今作ってるアルバムを完成させて。
今どうしても自分の中でも、「10年やってきた事ってどういう事なのか?」って、
そういう総括的なアルバムになってて。それをまずきっちり完成させたいなと。
今の彼らにとって、他の人の注文なんて大した事ない。
そんなもん全部飲み込んで自分のスタイルでできるから気が楽になりましたね。
うん、いくらでも言える、「全然ダメです」とか(笑)。
それはもう、ちょっと前とは変わりましたね。自分のスタイルを見つけてる頃は、
それを見つけきるまでは何も言わない…そんな時期がしばらくありましたけど。
「こんな曲があるんだけど」って言ったら、「ああ、いい曲だね」って言ってもらえるのが、
俺にとってこのうえない幸せですね。
20031107